えっ、ちょっ、うそ…!

そんなのされたら盗み聞きしてたことがバレちゃう……!


どうしようどうしようと焦っているあいだにも、私の制服のポケットに入ったスマートフォンが振動と共に容赦なく音を発した。


ピリリリリリーーーー。



「……はっ?」


「ヒナ…?そこにいるの?」



電話をかけているだろうはーちゃんの困惑した声と、ドアの先に目を向けただろうゆーくんの声。


私は手にしたおぼんを落とさないように、その上のジュースをこぼさないようにと、そちらを優先させてしまい。

結局は電話に出ることは叶わず立ち尽くしたままだった。


─────ガチャッ。


とうとう開いたドア。

ちなみにここは私の保育園からの幼なじみである、双子兄弟のお家になります。



「なんだ、来てたんだ」


「か、回覧板を届けにきたら……おばさんがジュースを用意してくれて…」



3人で飲もうと思って───、

きっと語尾は完全に消えていた。