無事に兄弟喧嘩が始まったところで、思わずクスッと笑ってしまった。
そんな姿にどこか安心したようなふたりに、私もまたそれ以上の安心が広がる。
「……やっぱ葉月だけってのもムカつくから、これくらいはね」
「えっ、わ、───っ！」
頬に触れた、ゆーくんの唇。
ちゅっと、私の頬っぺたに弾けて、ゆっくり離れた。
「この顔を他人の男に見せるつもりだったなんてさ。……さすがに許せるはずないや」
「…ゆー、くん…？」
「鈴木なんかより俺たちのほうがヒナのこと知ってるし、ヒナを笑顔にだってできる。可愛い顔にもできて、……気持ちいい思いもさせてあげられる」
あ、、、、。
目付き、急に変わった……かも。
ずっと笑っていた瞳が開かれるように、その奥には欲望も一緒に連れてきた。
