『おれは確かに昔からお前にちょっかい出して泣かすのスゲー好きだけど。……おれより結月のほうが実際は危ないと思うわ』



じわっと涙が浮かんだ。


他の男の子を見ただけでこんなことになるのなら。

私はもう2度と、ふたり以外には夢中にならない。



「そんなエロい顔できたとか反則だろ。…お子ちゃまのくせに」



いまの私の顔は、ふたりにどう見えているんだろう。


はーちゃんの吐息が耳だけじゃなく今では首筋にも広がって、髪をかきあげたうなじが次のターゲットになっていた。

にも関わらず、ぐったりと骨抜き状態になったカラダを支えてくれる手はやさしい。



「まってっ、はーちゃ…っ」



甘くてしびれをもたらす何かが、私の首筋に吸い付いた。


どんなに私が逃げようとしてもびくともしない腕は、しっかりカラダを押さえられてしまっている。


男の子だ……。

昔は同じくらいの背だったのにとか、そんなのまったく関係がないくらい男の子。