「ほんと絶望的だわ、終わってる。どうなってんだよあいつのセンス」


「まあ……昔から見る目だけはなかったからねヒナは。覚えてる?保育園のときなんか、ガキ大将のドンちゃんが初恋だったでしょ」


「あー、あのどんぐり頭のドンな。すずらん保育園のジャイ○ンって呼ばれてた」


「そうそう。俺たちが守らなかったら確実にヒナはの○太くん並のパシりにされてたね」



津森 ヒナ(つもり ひな)、高校1年生。

ただいまとある双子兄弟に過去の失態を笑われています。



「はあ…。名前のとおり、いつまでヒヨっコしてんだって話だろ」


「そんな言ってあげないでって」


「は?んじゃあ結月(ゆづき)はいいのかよ。あいつが鈴木なんかとくっついても」


「……笑えない冗談やめてよ、葉月(はづき)」



………え、、、どうして。


階段を上がってドアの前で立ち止まった私、その奥から聞こえる会話にドクリと心臓が鳴った。