「かしこまりました」
店員さんは若い男の人のようだった。
俯いているので顔はよく見えない。
店内にいるのは、私とこの店員さんの二人だけのようだ。
しんと静まり返った店内でなんとなく気まずさを感じた。
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
私がお礼を言って、メロンクリームソーダを受け取ろうと、店員さんを見た。
「えっ」
私と店員さんは、同時に声を上げた。
「天宮、君?」
なんと店員さんは私と同じクラスの天宮君だったのだ。
「えっと、これは…」
天宮君が焦るのも無理はない。
私の通う学校は、校則でバイト禁止なのだ。
「もしかして、ここでバイトしてるの?」
コクンと天宮君が頷いた。
「ここなら、学校からかなり遠いし、知り合いもあんまり来ないと思ってたから…」