「私を、元の世界に、帰らせて」

それは、虎太郎にも予想がついた要求だった。

もとより叶えてやりたい願いでもある。……すぐに、という訳にはいかないが。

「もうひとつは?」
「あんたの───」

言って、瞳子は虎太郎の腰にある剣を指差した。

「その御大層な名前の刀、私にちょうだい」

予想外の、言葉、だった……。