聞き捨てならないとばかりに割り込まれた声に、虎太郎とその従者───イチの声が重なった。

「は?」

瞳子は頬を染めながら、はっきりとこう言い放った。

「あの男が私に付けたのは、この首の噛み痕! それだけよ!
あんな卑怯な男に、ヤられてたまるもんかっ」