「……あなたに、もう謝ることは、しません」
「なっ……!」
「あなたは、僕の“花嫁”として()ばれたのだから」

悪びれることのない口調に、あきれて物が言えない瞳子に続けて男は言った。

「この“陽ノ元”と呼ばれる世界に、僕という“神獣”の“花嫁”となるために。
ただそのためだけに、あなたはいま、ここに存在するんですよ」

にっこりと、笑う。
その、面立ちだけ綺麗な笑顔は、瞳子の背筋をゾッとさせるものだった。