「電話、でないの?」


なかなか電話にでようとしない私に氷雨くんは聞いてきた。


「...うん。いいの。」


私はそう言って携帯の電源を切る。


「やっぱり、一緒かもね。俺たち」

「え?」


「親からの圧力。毎日毎日勉強勉強って、バカみたいだよね。」


と氷雨くんは自嘲気味に笑った。

氷雨くんも同じ、なのかな。


「紫呉さんもさ、やめちゃいなよ。全部。


もう十分頑張ってるじゃん。
逃げていいんだよ。」