_____氷雨(ひさめ)くんだ 氷雨 翠(ひさめ すい)。 彼とはクラスも違うし、ちゃんと喋ったこともない。知っていることは女子から人気があるってことと、学年1位の成績ってこと。 ガタッ 足がドアにぶつかり音を立ててしまう。 それに気づいた彼はこちらに視線を向ける。 「......しぐれさん、?」 「...こんにちは」 私の名前知ってるんだ、という驚きと話しかけられた戸惑いで適当な挨拶をならべてみた。