みんな、平凡なわたしなんかとは違って、すらっと長い手足で、髪もキレイに整えられていて。

 同じ制服を着ているはずなのに、どこか垢抜けてみえる。

 やっぱり蒼井先輩みたいに爽やかで人目を惹きつけるようなオーラのある人は、明るくてオシャレでカワイイ女の子といるのがお似合いだ。

 わたしみたいな日陰の存在が、蒼井先輩のそばにいちゃいけないんだ。


 冗談を言い合って、楽しそうに笑う蒼井先輩を見ているうちに、胸が苦しくなってきた。

 ここに、わたしの居場所はないんだって、改めて思い知らされる。

 わかってる。だから、決めたんだから。もう、サッカー部のマネージャーは辞めようって。


「あ。そういえば、今週末の練習試合ってどことだっけ?」

 蒼井先輩が、突然話題を変える。

「え、どこだっけ?」

「北丘高校じゃない?」

「違うよ。松瀬高校でしょ」


 ……先輩たち、いつもミーティング中にコソコソしゃべっていて、話をちゃんと聞いていないから、覚えてないんだ。


「あ、あのっ……」

 いてもたってもいられず、輪の外側から声を掛けると、みんなが一斉にわたしの方を振り返る。

 先輩たちが、『あんた、まだいたの?』っていう顔で、わたしを見る。

「こ、今週末は校内練習で、来週末、西星高校との練習試合の予定だったと思います」

「あー、そっか、そっか。悪い、悪い。最近受験勉強真面目にはじめたから、記憶容量オーバー気味でさ。さんきゅーな、三崎」