安堵するなり、何かに引っ張られるように視界が左を向いた。


ぐりんと移動した眼球が見たものは、教会の2階へ続くであろう外階段。


どこまでも続く地平線に逃げればいいものの、なぜか私の足は階段へと動いてしまった。


2段飛ばしで駆け上がる。



たどり着いた先にあったものは


それはそれは大きな鐘だった。



ほんのり錆びついた、時の流れを感じる出で立ちに圧倒される。
近づいていいのか迷うほど神聖な空気。


目の前がくらりと歪んだ。