「っ、永遠ちゃん!」



背後から聞こえる声を振り切るようにバージンロードを駆け抜けた。


触れられていた部分が熱くて冷たい。
甘い痛みを植え付けられた首すじが疼いた。


以前から時折垣間見えていた、羽生先輩の持つ常軌を逸した友愛を超える執着。


まざまざと肌に刻まれたようで怖かった。


優しいのに。


優しい天使なのに。


羽生先輩が、恐ろしい。


あのまま流されていたら、間違いなく私は羽生先輩の純白に染めつくされていた。


勢いよく出口の扉を開く。


外へ出ると、何も変わらないオレンジ色の空が広がっていた。