「あなたの後輩だからってなんでも汲み取れるわけではありません。理解できるように説明してください」


「それは…いやかな」


「なぜです」


「言いたくないんだ」


「またそれですか…」



呆れた気分になりながらも、無理やり吐かせようなんて気にはなれなかった。


言いたくないのならそれでいい。


そう思わせる羽生先輩は本当に不思議な人だ。



「言いたくない、けど…」


「……」


「永遠ちゃんがここまで来たんだなって、そう思ったら、涙が出てきちゃった」



泣きながら笑う羽生先輩は美しかった。


不謹慎かもしれないけど


天使のようだと思った。