「ちょっ、なんですこれ」


「ききわけの悪い子へのおしおき」



力を加えられる。
意地でも離すものかという意思が感じられた。


まいったな…どうしてこういうところでは頑固なんだろう。


長い付き合いの中で、こうと決めたら貫き通してくる羽生先輩の性格を知っているせいか、粘る前に諦めが先に来た。


小さく息をつき、ふたたび前を向き直す。


すると、50メートルも行ったあたりに、なにか建物があるのを見つけた。



「先輩、あれなんでしょう?」



指をさす。
目をこらせばのぼり旗のようなものが立っているのがうかがえた。