「……ねぇ大丈夫?やっぱりそこ痛いんでしょ」
「痛くありません」
「汗出てる」
「はは、あまりの空腹に目眩がしてるんですよ」
「永遠ちゃん」
「それに、こうでもしていないと腹の虫が元気よく鳴きそうですので」
「もう…きみって子は……」
羽生先輩は私に対して絶対に声を荒げたりしない。
そんな甘えを数グラム含んだ軽口がぽろぽろと出てくる。
ごめんなさい先輩。楽しくて。
こんなに心地いい気持ちはじめてだから。
痛みとふわふわとした高揚感が混ざった今に、ものすごく生を感じる。
あぁ違う。死んでいるんだった。
自然と口角が上がっていくのを感じた。