人の温もりに触れたからだろうか。
いや、それはないか。



「永遠ちゃん無理しないで。もう少し休んでいようよ」


「本当に大丈夫ですから。それに、これからいくらだって休めるでしょう」



羽生先輩を押し切って歩き出した。
なぜこんなにムキになっているのだろう、わからない。



「僕、永遠ちゃんになにかあったらまた死んじゃうよ」


「ははは、それは見てみたいものですね」


「ふざけないで」


「心配するなら手貸してください」



私から離れようとしない男に、てのひらを差し出す。


羽生先輩はどこか悔しそうに目を伏せたあと、渋々といった様子で私の手をとったのだった。