「しかしあの世はいい所ですね。
息がしやすい」


「ふふ、死んでるのに不思議だね」


「これからどうなるんでしょうか。私たち」



正確にはどうしたらいいのか、が知りたい。
当たり前だがあの世なんて未知だ。


閻魔大王に裁かれると思えばそうじゃないし。
拍子抜けするほどここは穏やかな場所だ。


あらためて空だけではなく地上も眺めてみれば、荘厳な濃緑の山々たちが私たちを囲うように連なっているのが確認できた。


どこか郷愁をおぼえるのどかな景色。


害する者もいない安らぎだけの空間で、魂が消えるのを待つのだろうか。


それとも