ハッと顔を上げる。



まぶしいオレンジが一面に広がっていた。



生まれてこのかた空など見ても綺麗だなんて思うことは無かったのに。


沁み入るようなその色を見つめていると、背後から声をかけられた。



「永遠(とわ)ちゃんっ」



振り返ると、端正な顔をした男性が肩で息をしながら私の名を呼んでいた。


誰…?
どこかで見たことあるような…


訝しむ思いが伝わってしまったのか、男性は苦笑いをした。