「好きですよ。ちゃんと」


「永遠ちゃん…なんでそんなこと言うの…もう」



また抱きしめられた。
耳もとで悩ましげな吐息が聞こえる。



「ほんとう…うれしい。大好き」


「ありがとうございます」


「うん。愛してる」



ぎゅうううと力を入れられる。


眼前に広がるのはオレンジ色の空。


鼻腔をくすぐるのは石けんのにおい。


鼓膜を溶かすのは甘さを持った声。


いっそ、なにもかも
このままであればと願ってしまいそうになった。