「白夜、頭を上げて。僕はやっちゃだめとは一言も言ってないよ」



 「やってもいいの......!?」



 一気に明るい表情になる白夜を見ながら僕は、ただし、と言った。



 「一つだけ条件がある。うまくいかなくても、投げ出さないこと。僕はうまくいくと思っているけど、うまくいかない場合もある。そのときは、絶対に放置したり、投げ出したりしたらだめだよ」



 「う、うんっ!わかった.....!ありがとう、光!」



 本当に嬉しそうにお礼を伝えてくる白夜を見て、僕は少し、これは強力なライバルだなって思った。

 この様子だと、かなり藍さんのことが好きそうだ。

 気になるなぁ......ちょっと、聞いてみようかな。



 「ねぇ、白夜。藍さんのこと、好きでしょ?」



 荷物をまとめていた白夜に聞くと、わかりやすく彼はびくっと体を揺らす。



 「な、なんでわかったの.......!?」



 「わかりやすいよ。だって、今回も藍さんのおかげで心が動かされたんでしょ?」



 「そ、そうだけど.....。もしかして、光も?」



 ばれちゃったか。