「だめ、かな?」



 白夜が焦ったように聞いてくる。

 なんで、やりたがっているんだろう。

 こんなにお願いしてくるってことはなにか事情があるってことだ。



 「なんでやりたいの?」



 聞くと、白夜は少し言いづらそうに口を開く。



 「藍ちゃんがさ、本当に聞く相手がいていいやっていうぐらいのノリで、かっこいい系をやりたかったっていう話をしたんだけど......。正直、アドバイスとか、なんにも求めずに話してたんだけどね.......」



 白夜によると、藍さんに”ギャップ”でやってもいいんだよと言われたのが相当嬉しかったらしい。

 僕と同じで、藍さんの新しい発想に引き込まれたんだと。

 藍さんには不思議な魅力があるよな.....。

 聞く人を惹きつける発想っていうか。

 僕もそうだから、人のことは言えないけどね......。



 「だから、やってみたいんだ。僕は僕が本来やってみたかったことをやりたい。藍ちゃんがそういう気にさせてくれた。......藍ちゃんの気持ちを無駄にしないためにも.....お願い、光!」



 頭を下げて、必死にお願いしてくる白夜を見て、本気なんだな、と思った。