「白夜さん、やってみましょう!私はかっこいい白夜さんが見てみたいです!」



 白夜さんが相当迷っているのが見て取れる。

 本当にやってうまくいくか、自信がないんだと思う。

 白夜さんはなにをやっても、すごいから。きっと、かっこよくたって、みんなを盛り上げてくれるはず......!



 「___藍ちゃんがそこまで言うなら、やってみようかな。僕の目指していた方向にも近づくし......!」



 白夜さんは楽しそうに言った。

 よかった。私の言ったことは間違っていなかったみたい。

 白夜さんはやっぱり、かっこいいのがやってみたかったんだ。



 「ありがとう、藍ちゃん!僕、ファンに嫌われてしまうからって自分の本当にやりたかったこと、避けてたみたい。言われて、本当にやりたいことがわかったよ!本当にありがとう!」



 「いえ!白夜さんが喜んでくれたなら、それで私も嬉しいですっ」



 よかった、笑顔になって。そう喜んでいたときだった。

 ふいにちゅっというリップ音とともに、頬に温かい感触が。

 状況が理解できずに、驚いている私を見て、白夜さんはいたずらっ子のような笑みを浮かべる。



 「僕からの、ありがとうの気持ちだよっ!じゃあ、配信楽しみにしててね」



 その場にぽつん、と取り残された私は、呆然と立っていることしかできなかった。