私がいるからごまかそうとしているんだ。

 このまま、光さんを放って置いてはだめな気がした。



 「光さん!批判の声に耳を傾けすぎてはだめです!」



 「え?」



 光さんが驚いたように目をパチパチと瞬く。

 こんな私の言葉じゃきっと、説得力がないと思うけど、少しでも楽になればいいな。



 「これは朝火さんとも話したことなんですけど......」



 私は昨夜の会話を思い出す。



 「私も前に、批判を見て、悲しくなったことがあるんです。あまりにショックだったので、小説を書くのが怖くなったことがあったんですが......」



 「っ.....!」



 光さんが驚いたように目を見張る。



 「批判は自分の(かて)にすればいいと思ったんです」



 「糧に?」



 「はい」