藍に謝られて、必死に俺の魅力を伝えられたときには心臓の音がうるさくて仕方がなかった。

 ___こんなに俺のことを見てくれる人なんていなかったから。

 うるさい心臓の音を聞きながら、俺は気づいた。



 藍が、好きだ。



 最初は警戒心を丸出しにして、藍に牙を()いてしまった。

 そのときのことを後悔してもしきれない。

 あのときも、俺の魅力を伝えようとしてくれていたな......。

 それを無下にするようなことをしてしまって、本当に申し訳ない。

 そんな不甲斐ない俺に対して、たくさん魅力を伝えてくれて、嬉しかった。

 他の奴らからしたら、そんなことで惚れてしまうなんてと思うかもしれないが、これだけは譲れない。

 俺からしたら、自分自身のことを見てくれて、本当に嬉しかったのだ。



 そんなことがあってからの夜。

 メンバーがみんな寝静まった頃に、誰かが部屋を出ていく気配があった。

 誰だ......?