「部屋ってどこかなぁ?」



 「こっちだと思うよ!きっと、私は最上階じゃないかな?」



 わからなくて泣きそうな一歌ちゃんを連れていきながら、私も悲鳴を上げそうになった。

 だって広すぎるんだもんっ.......!

 こんな広かったら、毎日迷子だよ......!

 学校内で迷子はさすがに嫌だなぁ。

 地図を駆使(くし)しながら、やっと、自分の部屋がある場所を見つけると、一歌ちゃんは嬉しそうな声を上げた。



 「やっとついたぁ!」



 一歌ちゃんは、どうやら、4階のようで、私とは違う階のようだ。

 あとでね、と別れて、私はエレベーターで最上階まで上がる。

 最上階へ来たとはいえ、どこが自分の部屋かさらにわからなくなってしまったっ......。

 こうなれば、誰か、他の人に聞くしかないっ.....!

 私は、ありったけの勇気をふりしぼって、近くの部屋の人のドアをノックした。



 「なに......」



 私は思わず目を見開く。

 さ、さっきの人だ!

 私がぶつかってしまった、イケメンの人。