一歌ちゃんと話しながら、部屋への廊下をわたっていると、誰かとすれ違いざまに肩がぶつかってしまった。



 「ひゃっ......!ごめんなさい」



 「あぁ、悪い」



 ぶつかってしまった人は、こちらをちらりと見ると、すぐに走って行ってしまった。

 うわぁ、すごいかっこいい人だ.....!

 これが俗にいう、イケメンっていうものかな......?

 でも、顔の半分がマスクで隠されていて、風邪をひいているのかわからないけれど、少しもったいないような気がした。

 なんでだろう。どこかで、見たことがあるような......?

 

 「藍ちゃん?どうかした?」



 私がぼーっと彼のほうを見つめていたからか、一歌ちゃんが心配そうに声をかけてくれる。



 「ううん。大丈夫、行こう」



 一歌ちゃんはまだ、心配そうにしていたけれど、私の言葉に納得したのか、歩き出した。


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