内容を勝手に見るのもよくないと思い、閉めようと手をかけたときだった。

 俺は”見たことのある文章”が目に入り、手を思わず止めた。

 この文章、どこかで見たことがある......!

 どんどん、読み進めていくうちにそれは確信に変わった。

 この文章、天才作家・アイの本の一部だ......。

 気づいたときにはもう、そうとしか思えなくなった。

 それにしても......なんで藍がこの文章をノートに書いているんだ?



 「なにしてるの?」



 後ろから、白夜(びゃくや)に聞かれて、ノートを見せる。



 「この文章、知ってる?」



 「あ......これ、アイのじゃない?」



 そういうと、他のメンバーもノートを見ようと、集まってきた。