でも、これ以上、見ていたら泣き出してしまいそうで。

 朝火さんが微笑んでいたという事実にも、自分が最低だという事実にも。

 どちらにも嫌気がさしてしまった。

 私は走って、走って____。

 人気のない教室までたどり着くと、へなへなとしゃがみこんだ。



 ♡♡♡



 どれくらい時間がたっただろう。

 私はふと、顔を上げた。

 ___すると、整ったきれいな顔と目があった。



 「朝火、さん........」



 「なにかあった?」



 朝火さん、だった。

 私は突然の登場に固まってしまった。



 「春風から......藍がお手洗いに行ってから、帰ってこないって聞いて。もし、なにかに巻き込まれてたりしたら大変だなって、思って」