なぜか、妬ましそうな表情で言う、一歌ちゃん。

 なんでだろう?



 「ほら、こうしている間にも!」



 一歌ちゃんが急に声を上げて、教室の外を指さした。

 そこには、朝火さんがいて、たくさんの女の子に囲まれていた。

 朝火さんは笑顔で話している。

 朝火さん.......人気、だな。

 女の子に笑顔、向けないでほしいな。



 って今、私なんてことを!

 笑顔を向けるななんて、そんな、朝火さんはきっと、意図があってやっているわけじゃないのに......!

 私って最低だ.......。



 「一歌、ちゃん。私、お手洗いに行ってくるね」



 「う、うん。HRそろそろだから、はやく行ってきたほうがいいよ」



 気遣ってくれる一歌ちゃんに感謝しながら、ありがとうと返す。