「今日はやめて、明日歌詞を渡しに行くか?」



 教室に閉じ込められる事件があったあと、私達は告白して、両思いになったわけだけど......。

 私、一番最大のやるべきことを忘れていたんだよね。

 朝火さんは、こんな事件があったあとに行かなくてもいいと言ってくれたんだけど、私は行きたい。

 メンバーにはすごくお世話になっているし、すぐにでも歌詞を渡したいから。



 「私は行きたいですっ」



 「そうか?つらいなら、無理して行かなくてもいいんだぞ?」



 「メンバーの皆さんには、お世話になってますし......すぐにでも渡しに行きたいです」



 そう言えば、朝火さんは渋々ながらも、納得してくれたようだ。



 「じゃあ、行くか」



 「はいっ!」



 私が頷いて、歩き出そうとすると、朝火さんに手を引かれる。



 「手......つないでもいいか?」



 不安そうな顔でそういわれる。