これで、全部、辻褄が合った。



 「いいんだ。藍は悪くない。悪いのはその女子生徒だ」



 「な、なんで、そんなに朝火さんは私に優しくしてくれるんですかっ........?」



 「優しさとかじゃない。藍は悪いことをしていないんだから、事実を述べただけだ」



 藍は少し、納得がいかないのか、ふるふると首を横にふる。

 そして、俺がまた、藍に話しかけようと思ったときだった。





 「好きっ........」





 なにを言っているのか、すぐにはわからなかった。

 俺は数秒、思考が停止した。



 「朝火さんがっ、大好きですっ........」



 藍は泣いていたから、声が震えていたけど、その言葉はしっかりと聞こえた。

 好きって、恋愛的な.......だよな?

 藍は少し鈍感なところがあるから、心配になったけど、真っ赤になっていく藍の顔を見ながら、本当なんだと自覚する。

 なんだこれ、夢か?