「翔くん、おはよう」



 「藍、はよ。大変なことがあったらしいね」



 「な、なんで知ってるの!?」



 朝、今日は翔くんが来ていたので、挨拶をすると、落書き事件の話を持ち出してきた。

 翔くんはいなかったはずなのに、なんでだろう......?



 「風の噂でちょっとね。藍、大丈夫だった?」



 「私自身は大丈夫だったけど____悲しかった」



 思わずこぼれた本音。

 朝火さんや、翔くんのことまで出されたのも悲しかったし、私自身を中傷するような言葉も悲しかった。

 私の言葉になぜか、翔くんは顔を歪めた。



 「俺が___守ってあげれたら」



 「翔くん?なにか言った?」



 小さい声でほとんど聞こえなかったから、聞き返すと、翔くんは笑顔で首をふった。

 本人が、なんでもないって言ってるし、なんでもないのかな......?