放課後。

 チャイムが鳴るのと同時に、私は一歌ちゃんのほうを向いた。



 「一歌ちゃん、ここで話すんじゃなくて、来てほしい場所があるんだ。いいかな?」



 「うん。いいけど......どこに行くの?空き教室?」



 「ううん、音楽室っ!」



 「お、音楽室?」



 戸惑う一歌ちゃんの手を引いて、私は歩き始めた。


 ♡♡♡


 音楽室につくと、私はいつもどおり、ノックをしてから入る。



 「失礼しますっ」



 「ちょ、ちょっと!藍ちゃん......人いるよ!?」



 一歌ちゃんの戸惑う声を背中で聞きながら、『大丈夫だよ』といって、中に入る。

 私の予想通り、全員がそろっていた。

 もちろん、素顔で、だれもマスクをつけていない状態だ。