「一歌ちゃん。今日の放課後、時間あるかな?」



 「大丈夫だけど......珍しいね、藍ちゃんから誘ってくるなんて」



 「うん。今日は言わなきゃいけないことがあって」



 もしかしたら、罵られるかもしれない。

 なんで、作家だということを、silentと関わっていたということを、隠していたのか___と。

 もしかしたら、もう話してくれないかもしれない。

 だって、大事な友達に秘密を隠していたなんて、私だったら、悲しい気持ちになるから。

 それでも___。



 「藍ちゃん、なにか私に隠していることあるでしょ?」



 一歌ちゃんが静かに問いかけてくる。

 やっぱり.......わかっていたんだ。

 一番近くにいる友達だからこそ、わかるものがあったのかもしれない。

 急に黙り込んだ私を見て、一歌ちゃんが少し悲しそうに笑う。



 「ちょっと、思ったんだ。最近、藍ちゃんが忙しそうだし、悩んでいることも多いなって」