さっきの藍、かわいかったなぁ......。

 一人で、顔が緩んでしまう。

 秘密でこの学校に来ようと決めたのは、数ヶ月前のことだった。

 母親と父親の仕事が片付き、もともと住んでいた家に戻ろうということになったのだ。

 戻るの、めんどうだな......。

 父親は、引っ越しの数日前にどこの学校に行きたいか、聞いてきた。

 どこでもいいよな......てか、どこも変わんねぇだろ。

 俺は適当に返事をしようと思っていた。



 「翔、桃園学校に行ってみないか?」



 桃園学校........?

 俺の中で記憶が蘇る。

 そういえば、藍は桃園中等教育学校に進学するって言っていたような.....。

 ___行きたい。