「翔くん......他の人に言わないでね?」



 「わかった。絶対に言わない」



 私が作家だということも言わないで、秘密にしてくれたから、今回も大丈夫だと思うけど......。

 本当にごめんなさい、silentのみなさん......不甲斐ない私のせいで。



 「私、silentの作家なの」



 「silentの作家?どういうこと?」



 そうだよね。普通の反応はそうなるよね......。



 「この学校にsilentがいて。紆余曲折(うよきょくせつ)あって、silentと知り合うことになっちゃって.....。」



 「えっ、この学校にsilentがいるって噂は本当だったんだ」



 翔くんが驚いたように言う。

 噂ってそんなにまわっているものなんだ.....。他校にまでってこと?



 「私、驚きすぎて逃げちゃって、ノートを落としちゃったんだ。そしたら、作家ってことがばれちゃって......」



 私はあのときの失敗を思い出す。

 あのときは後悔したけど、今となっては返ってよかったのかなって思っている。