藍が保健室から出ていって、やっと俺は顔が真っ赤なことを自覚した。

 なんで、こんな俺のくだらない悩みを解決してくれたんだ.......?

 そんなに同情を引く感じになってしまったのか?だったら、申し訳ない。



 「はぁ........」



 恥ずかしさに一人で悶えていると、知らない感情が自分の中でできるのを感じた。



 「この、感情はなんだ?」



 愛しいと思うような、相手の全部がほしいと思うような____。



 ____俺は藍が好きだ。



 この感情が当てはまることに気づいた。

 好きだなんて、初めてだった。

 昔から、女は俺の顔だけを目当てに近寄ってきて、媚びを売って帰る。

 そんな女を俺は苦手としていた。

 今回も藍がsilentに入ってきたときは、警戒していたのだが........。

 藍は違った。他の女とは違ったのだ。