「あ、そうだ、忘れるところだった」

ベッドから出ると部屋に置いてあったスーツケースから袋を出してきた。

「これ菜穂にクリスマスプレゼント」

「えっ、食事で充分なのに?」

「菜穂に特別だよ」

「私、何も用意してないよ」

「いいから、菜穂はいつも美味しいお菓子をくれるからいいんだよ」

開けるねと袋を開けると小さな箱が入っていた。

「指輪だ…ペアリング」

「うん、東京の友達に連れて行ってもらって先月買ってたんだよ、クリスマスに渡そうと思ってさ」

「ペアリングなんて買ったらバレるじゃん」

店には連れて行ってもらったけど買う時は見せなかったからと菜穂に指輪をはめてくれた。

「おっ、俺凄くね?右手の薬指にぴったりじゃん」

菜穂が瞬弥にもはめた。

シルバーのシンプルな指輪、少し幅があって真ん中には1本ブルーのラインがはいっていた。

「まだ18だし、大人すぎるのも早いかなって、高いものじゃないけど」

「ありがとう、瞬くん、大切にするね」

菜穂は瞬弥に抱きついた。