「さっき菜穂とも話したんですけどまだ大学は、はっきりとは決めてないと聞きました、でももし東京を選ぶなら一緒に住むことを許してもらえないでしょうか」
「瞬くん…びっくりだよ」
「うん、菜穂がまだ決めてないから決定じゃないけどさ、セキュリティのしっかりした所に住みたいしっていうのは建前で僕…菜穂がいないと寂しくてですね(笑)」
瞬弥は照れていた。
「従兄弟の大冴も23区ではないけど一応東京にほぼ決定しました、大冴にも東京に行こうと言いました」
「聞いてないんだけど?」
菜摘が拗ねていた。
「来る前に決まったから」
「本当?」
「うん、本当」
電話してくると菜摘は部屋に上がっていった。
「T大学を勧める訳じゃなくてあくまでも東京に出るなら一緒にって事が言いたかったんです、びっくりさせてすみません」
瞬弥は頭を下げた。
「もし…もし菜穂がT大学を選んだ時には瞬弥くん、菜穂を守ってやってくれ、こちらからもお願いするよ」
「お父さん…ありがとうございます」
「パパ、ありがとう…」
菜穂は泣きながら瞬くんと腕を組んだ。