総体が近く新学期が始まってからは延長練習になり帰るのが遅くて家には寄ってなかったのだ。

今日は先生の用で通常時間だったから寄ると昨日のビデオ通話で聞いていた。

部屋にはいつもウエットティッシュが置いてあり瞬くんは起き上がると手を拭き始めてネクタイを緩めた。

仕草がかっこいいな…瞬くん

「いただきます」

瞬くんはアップルパイを食べると「美味い」と言ってくれた。

「忙しかったしね」

「まあな、ん、菜穂も食べる?」

菜穂は瞬くんの前に後ろ向いて座り腰に瞬くんが左手を回してきた。

いつも食べる?と聞いてくるときは食べさせてくれるって事で「あ〜ん」と言われて口を開ける菜穂

菜穂はお皿を持ってサクサクの生地が落ちないようにパクっと大きな1口をモグモグとしている。

「菜穂に餌付けするの、好きなんだよな〜(笑)」


うんうんと食べながら頷いていた。

腰に回していた手を離して菜穂の髪の毛をよけると首筋にキスをしてきた。

「ん、ん、まっふっ」

「ん?口に入れすぎて喋れてないよ(笑)」

「まっふ」

「待って?って言ってんの?」

うんうんと菜穂は頷く。

「待つわけないじゃん(笑)久しぶりの菜穂をいただきまーす」