「無理して荷物持ったままは走らない、わかった?」

菜穂は頷いた。

「今日、親がいるけどいい?私が出ようか?」

「いや、話もしたいし、大丈夫」

「話?」

「うん」

真広さんは家の前に停めてくれた。

「ありがとうございました!」

「またねー」


菜穂は家に入り急いでケーキを作り始めた。


「おっ、菜穂のお菓子か、楽しみだな」

「パパ、瞬くんが夜に来るって」

「そうか、おめでとうって言わなきゃな」



瞬弥は家に帰り荷物を置き、母屋にあいさつに行った。

次に大冴の家に行くと真広がキッチンにいてお土産を渡した。

「大冴は?」

「今日はお父さんと朝から出かけてるのよ」

「公演とか?」

「大学を見学に行ってるの」

奥から志温を抱いた大冴のお母さんが出てきた。

「志温、おいで」

瞬弥が手を出すと喜んで瞬弥に抱かれた。

何時頃帰る?と聞くともう少ししたら帰るわよと行ったから待つことにした。

「瞬弥、夕食は?」

「軽く食べて菜穂とこに行く予定」

「じゃあ、志温と遊んでて」

「いいよ」