「大丈夫か、菜穂」
パンパンと服をはらってくれた。
「瞬くんなの?」
「そうだよ」
「ふぇっ…瞬くん、何でそんなにかっこいいのー」
菜穂は子供みたいに泣き始めた。
「何、どういう事だよ(笑)」
買い物袋も拾ってくれた。
「家まで送る、おいで」
ヒックヒックと肩を上下に揺らしながら停まっていた車に乗った。
「大丈夫?菜穂ちゃん」
「あい…ぐすっ…真広さんお久しぶりです」
車に積んであったティッシュを取り瞬くんが涙と鼻水を拭いてくれた。
「菜穂、走ってたら止まらなきゃ」
「止まれなかった…」
「じゃあ、止まってから後ろを向くんだよ、わかった?」
「はい」
瞬くんは思い出し笑いをしてまた笑っていた。
「最終便じゃなかったの?」
「予定より早く終わったから早い便に変えて帰ってきたんだ、真広が休みだったから迎えにきてもらった」
髪の毛もボサボサになっていたのを手で直してくれる。
「1度荷物を置きに帰ってから菜穂ん家に行くから、何か作るんだろ?」
「うん、急いで帰って作ろうと思ってたの」