「菜摘、今日は大冴くんと一緒だったの?」

「うん!あっ、アップルパイだ、美味しそう、瞬弥くんが来るの?」

「うん、大冴くんは何か言ってた?」

「何を?」

「夜の相手とか…」

「んー、特に…空手の事は大冴くんは話さないかなぁ」

「そう…」

完成したアップルパイをカットして半分は菜穂の部屋に持って行った。


19時半を過ぎた頃インターフォンが鳴り菜穂はダッシュで階段を降りていく。

「うるさい!菜穂」

「ごめん」

夕食の支度をしていた菜摘に注意され、玄関を開けると「くっ、くっ、(笑)」と瞬くんが笑っていた。

「お、お疲れ様、瞬くん」

「あー、久々に凄い音が聞こえた、階段から落ちるなよ、菜穂」

「あっ、聞こえた?恥ずかし…」

「まあ、菜穂らしいけど(笑)お邪魔します」

「いらっしゃい、瞬弥くん」

菜摘もひょこっと顔を出した。

「お邪魔するよ」

瞬くんは階段を上がり菜穂の部屋に入っていく。

菜穂は飲み物を冷蔵庫から出して2階に上がって行った。

菜穂がドアを開けると瞬くんはクッションにダイブしていて笑っている。

「久々に外まで階段の音聞いたな(笑)」

「だって…」

菜穂はテーブルのアップルパイの横に飲み物を置いた。