「大冴くんは進路決めたの?推薦もらったんでしょ?」
「決めてがな〜」
「何かさ私には相談しないよね」
ぷくっと菜摘は頬を膨らませている。
「空手の事は菜摘に相談してもな」
珍しく大冴くんが料理と一緒に写真を撮ってくれた。
「菜摘、顔出しする?どっちがいい?」
「え?SNSに?いいの?」
「もう瞬弥の応援は終了だからな」
「可愛く写ってる?」
「可愛い、可愛い(笑)」
「ん?ちょっと見せて!」
菜摘はスマホを取り上げる。
「ちょっと!顔の下半分じゃん」
「料理をメインに撮ったから(笑)」
「いいよ、それで、ちょっとでも写ってたら」
大冴くんは去年の国体優勝の後に菜摘と付き合うことをさりげなく報告してくれてから1年以上ぶりに菜摘との事を投稿してくれた。
大冴くんは打ち込みを終えるとトイレと席を立つ
菜摘は大冴のSNSを開いた。
『従兄弟の野村瞬弥のミスターコンを会場で見るために彼女と上京
モーニングを食べたよ
料理を優先したら彼女の顔が見切れて怒られたけどすぐに許してくれるNはマジ天使www』