菜摘は夜に菜穂と教えてもらった番組を見た。
「こんな感情…私は耐えられないかも…」
菜穂は番組で泣いている子を見て自分も泣いていた。
「菜穂は優しいね」
「菜摘はどう思った?」
「そうねぇ、無理に気になる人を作らなくてもって思う、遠距離になる事も出る時点でわかってるのに」
「菜摘は冷静だねぇ」
「でも思い出にはなるよね、普段出来ない経験だもの、瞬弥くんも今そういう経験をしているんだろうなぁ」
「そうだね、瞬くんがやりたいなら応援する」
瞬くんがやることを理解しようとしなかったと菜穂は言って少し表情が緩んだのがわかった。
菜穂は短期講習だけ行っていた塾に平日も行く事に決めた。
瞬くんに報告をしたら飲み物をくれる男には注意と言われた。
「どうしようかなー(笑)」
「おい、菜穂」
「なあに?」
「そいつ、絶対菜穂の事が気に入ってるから」
「でも塾だよ?」
「菜穂、自分が可愛いって事をそろそろ自覚してほしいんだけど?」