私に言うより大冴くんに言ってる方が信用できるのもおかしいけど、今の菜穂には有難かった。

ファイナリストに残ると週末に上京してレッスンを受けるらしい。

「瞬くんはアイドルになるの?」と1度聞いたがならないよ、菜穂と本当に別れなきゃならなくなるしそれは嫌と言ってくれた。

段々瞬くんの言葉も信じられるように少し余裕ができてきた。

瞬くんがビデオ通話の時にいつも好きって言ってくれるからだった。



大冴は国体を終えて部活を引退した。

それからは菜摘と一緒に帰るようになり、周りにも周知されてきた。

国体2連覇はさすがに学校のニュースにもなったし大冴くんへのインタビューも増えた。

瞬弥くんがファイナリストになった事で大冴くんのSNSにも瞬弥くんが載ることが多くなった。

「何で瞬弥くんは載せて私は載せてくれないのよー」

菜摘はいつもの神社で大冴くんのSNSを見ていた。

「協力できることはするさ、特技をバスケじゃなく空手って言ったらしいからさ、プロフィールにも書いてあるし、俺と相手できるって凄いことなんだぜ?わかる?空手界」

「知らないよ〜」