付き合ってもうすぐ1年、菜摘を抱きたいが瞬弥みたいにうまく出来ない。
家には親がいるし、菜摘の家も隣に菜穂ちゃんがいると思うと出来ない。
でも焦らない、菜摘はわかってくれると思うし…っ、さすがにこの体勢はそろそろまずい
大冴は口唇を離した。
菜摘は大冴の肩に頭を置いてハァハァと息切れしている。
「暑っ!」
菜摘の背中を支える大冴はシャツのボタンを1つ開けた。
気温も暑いのに菜摘との密着も暑かった。
離れさそうとしてもぎゅーっとされて動かねぇし
「菜摘、水飲め」
「ハァハァ…うん」
「菜摘は春までに体力をつけること」
「春までお預け?」
「お互い家族が家にいる状況をわかれよな、みんながどこでもヤッてる訳じゃないから」
「うん」
「俺は大学の推薦もかかっている、安易な行動は出来ないんだよ、わかれよ」
「うん、わかった」
「だから体力つけとけよって話」
「はーい(笑)」
わかったら離れてくれと菜摘は大冴の上から降りた。
カバンからタオルを出してくれて菜摘の汗を拭いてくれる。
大冴くんは不器用で言葉も少ないけど私にだけは正直に話してくれて、学校でも見せない表情を私の前ではしてくれるのだ。