期末テストも終わり夏休みに入った。
瞬くんが菜穂の作った水ようかんを食べている。
「菜穂」
「ん?」
「菜穂に謝らなきゃいけないことがある、あと話も…」
「話?」
瞬くんはスマホを出してSNSを開けた。
「新しい垢?」
菜穂が覗くと野村瞬弥と本名で新規垢が作られていたのだ。
プロフィールの所を見ると男子高生ミスターコンテストにエントリーしています、よろしくお願いいたしますと書いてあった。
「何?ミスターコンテストって」
瞬くんはサイトを見せてくれた。
「瞬くんが出るの?」
「うん、罰ゲームで…」
「罰ゲームって何に負けたの?」
「期末テストが1番悪かった」
「瞬くん、勉強そこそこできるよね?」
「解答欄が途中からズレてて…」
「漫画みたいな間違いするんだ」
「自分でびっくりしてる…それが友達曰く彼女がいない方が絶対いいっていうんだよ」
「別れるって事?」
「別れたくないけどコンテストが終わるまで…ごめん」
「終わったら元に戻れる?」
「もちろん、だって菜穂の事好きだし、連絡はするよ」
「会えないの?」
「会わない方がいいと思う」