私には世界一大好きで大好きでたまらない人がいる。

それは…………


我が推し!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「はぁ〜今日も尊い、、、」
毎朝、自作の祭壇を眺めるのは私、桜坂 美蘭(さくらざか みらん)の日課だ。

「なんでこんなに尊いんだろ、、今日も頑張るから元気で待っててね」
推し(※グッズ)との別れを惜しみながら腰を上げようとした瞬間。

「グッズに話しかけるな気持ち悪い」

「むっ、、気持ち悪いとはなんだぁ!おはようって言っただけでしょ〜!?」
この生意気なのは私の弟、桜坂 颯太(さくらざか そうた)

「毎朝訳わかんね〜な。姉ちゃんは」
「わかんなくて結構ですぅ〜!愚弟なんかに推される推しがかわいそぉ〜」
「そーかよ。さっさと飯!」

ちなみに毎朝この調子である。
ほんとは颯太にもハマってほしいんだけどな〜という本音は恥ずかしいから絶対内緒。








「あっ美蘭〜!おはー…って何?なんで机に突っ伏してんの。ランダムグッズで推しすり抜けた?」

「そんなんじゃないもんー」
明らかに機嫌悪そうな自分の口調に笑ってしまいそうになる。

「んじゃなに〜?」
どすっと私の正面の席に座る親友の椿 和奏(つばき わかな)

「人の席に堂々と座んないの」
一応注意するが和奏にそんな適当は注意が効くはずもなく、「いいじゃんまだここの席の子来てないんだし。来たらどくよ」とあしらわれる。

「それより!なんでテンションひっくいのよー」

待ってましたと言わんばかりに説明する。
「推しの、、初の!!お話会が発表されたの、、!!!」
「おーよかったじゃん。心配して損したわ」

こいつぅぅぅ!!なんにも分かってないよぉ!

「違うよっ!!お話会は嬉しい、、嬉しいけど!!!抽選なの!」
「まぁだろうね?倍率高そー」
「そこ!そこなのよ、、、、今月お金が少なくてさ、、抽選券十枚しか変えなかった。。。。」
「いいじゃん。一個くらい当たるんじゃない?」
「甘い。和奏、甘すぎるよ。。。」

和奏はキアス(※推しグループ名)の認知度を理解してない
そして運営もキアスの認知度理解してないだろおおおお!!!

「なんだよ!!!抽選で1メンバー50人ってさ!無理じゃん!!!!」
クラスに人が少ないのをいいことに思い切り叫ぶ。

「うぉ、びっくり」
和奏が驚いてるとは思えない声量で呟く

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
また机に突っ伏し泣き真似再開。

「はいはい、うるさいから一旦それやめて」
私の考えを完全に見抜いた発言。

「つまり…超レアなイベントが来たのに倍率高すぎ・金なさすぎ・当たんない無理ってことでおけ?」

私の駄々こねをここまでわかりやすくまとめれるのスゴ……だから現文毎回90点台なのか?

「そ〜だよっ、!もう終わったんだぁぁぁ!!」
「いちいち叫ばなくていいから笑 でもまだわかんないでしょ〜?奇跡的に十枚の中で当たるかもしれないじゃん」
「そ、そぉだけど、、、」
可能性としてはあるけど中々の確率だ。

「てか当落発表はいつなわけ?」
「ん〜あと3分」
スマホの時間を確認しながら答える。
「っは!?8時ってこと!?」
驚きすぎじゃない?さっき叫んだときの方でもっと驚いてほしかったんだけど…
まあ、今7時57分だから、そりゃそうだろう。

「だから急に駄々こねだしたのか笑」
呆れながら笑う和奏の声などもう耳に入っていない。

今はスマホの通知に全神経を集中している。

8時に、、、、なった!!
ほぼ一斉に10件の通知が鳴る。

一つ一つタップし、確認。。。
和奏も無言で見守ってくれる

ハズレ・ハズレ・ハズレ…これもハズレだ

後半の5枚目をタップする。と、、、『当選おめでとうございます』の文字と詳しい説明が書かれている。

「んぇ、?あ?んっ!?え、ええええええええ!!!?あ、当たったあああああああ!?」

当たった!当たった!ほんとに当たったの!?
「お〜良かったじゃん。やっぱ最後まで信じたもん勝ちよー」

和奏からはなんとも呑気な返事が返ってきた。

「あああ、あたっ、あぅ、、、あ?」
驚きすぎて言葉が出てこないよ。。。。

「一回深呼吸しなさい。深呼吸」
笑いながら落ち着かせてくれる

「もう人生の半分の運は使い果たした」と呟くと、「なんで半分なのよ笑」とまた笑われた。

「まだ四枚残ってるんでしょー?さっさと見ちゃいなさいよ」
素直に「はーい」と返事をして、ふと思う。
和奏お母さんじゃん、ママじゃん。

見事当選を勝ち取れたから、あとは特に期待もせずに目を通していく。

「残りは〜、、、、、、、全部ハズレっと。      ん、、?んん!?」
今、なんかあった?

『今回はチケット準備が出来ませんでした。またのご応募お待ちしております』とは書いてなかったよな、、!?

「ん?なに?」
私の異変に気づいた和奏が聞いてくる。

「ちょっ、、え?えぇ?」
「なんなのよぉ〜国語系全部赤点の美蘭でも、言葉にするくらいできるでしょ?」

いつもなら即噛みつくディスりも今はどうでもいい。

「も、もっかい見直そう。。。そんなはずはない。おかしいおかしい」

恐る恐るとそのページを開くと、そこには…………

     『当選おめでとうございます』


トウセンオメデトウゴザイマス……?????   とうせんおめでとうございます?     


当選おめでとうございます!!!!!??




「は、はあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!???????」